沈黙が流れる。
一分も経ってないのに、途轍もなく長く感じる。
覚悟を決めてここまで来たんだ。
もう引き返せない。引き返さない。
意を決して口を開こうとした、その時。
「板野君…あのね」
俺よりも早く、春川さんが言葉を発した。
「もう、此処へは来ないで欲しいの」
「…え……」
「学校の人に見られちゃうから……だから…」
春川さんは「ごめん」と頭を下げると、少し離れた所で待ってる友達の元へ早足で行ってしまった。
“此処へは来ないで欲しい”
春川さんの言葉が頭の中をぐるぐると回る。
完璧に拒絶された…
今の言葉には学校に来ることだけじゃなく、もう俺に会いたくないって言われたような気がして、ただ呆然と立ち尽くすしか出来ない。
「本当にいいの?」と、友達が春川さんに問い掛ける。
春川さんは「うん」と頷いた。

