俺は携帯を取り出すと、LINEを開いた。
【海生君って呼んでもいい?】
【私のクラスに海生君ファンの子いるんだよ。ちょっと複雑…だな】
【明日の大会、応援に行くね‼︎】
【頑張れ‼︎海生君!】
絵文字を使った可愛らしいメールの数々に、胸の奥の方が締め付けられる感じがする。
ただのメールなのに、春川さんの優しい笑顔を思い出して。
やっぱり好きだって改めて思う。
会いたい。
この微妙な雰囲気のままでいるなんて、俺には無理だ。
隣の県にある会場まで電車で一時間も掛けて観に来てくれたのに、俺はその行動を無下にしてしまった。
謝って、お礼も言って、そしたら…
俺はLINEで【話したいことがある。今日会えますか?】とメールを打つと、緊張しながら送信ボタンを押した。
すぐに送信完了し、一先ず息を吐くと携帯を一度閉じた。しかし。
それから数時間が経過しても、春川さんからLINEは返って来ない。
“既読”マークも付かない。
忙しくて見れないのか、それとも俺からのメールとわかって開かないのか。

