春川さんは飛びっきりの笑顔を見せると、『約束ね』と小指を差し出してきた。 ふにふにしてて、少しでも力を入れたら折れてしまいそうな程細くしなやかな指。 俺はその小指におずおずと自分の小指を絡ませて、『…ああ』と答えた。 春川さんが、俺の試合を観に来る…… 嘘みたいだ。 絶対に勝ち取ってやる。一軍の座を。 負けてらんない。誰にも。 俺はもう、負けない!絶対にナンバーワンになる。 だけど、どうか今は彼女に俺の小指が緊張で震えてる事がバレませんようにと、心から願うばかりだった。