美男子の恋事情!


もう一度、会いたい。


優しくて、少し強引で、マイペースで。


不思議な彼女に。





落ちるとこまで落ちた俺に射した光。


この日を境に、俺の調子はぐんっと上がった。


相変わらず先輩達に力は及ばないけど、前とは気持ちが全然違う。


明らかに彼女のお陰だった。



『板野。最近、サーブが速くなったな。ストロークも安定してる』



部長が球拾いをしてる俺にそう言うと、今まで俺に色々言ってきた先輩までもが『そうだな』と話に乗ってきた。



『ありがとうございます』


『何か心境の変化でもあったか?』



心境の変化、か。


確かに、彼女に会って変わった。


あの日、心が軽くなった俺は入部してからの三週間の自分を改めて見直す事が出来たんだ。



『……自分の実力に気付きました。調子に乗ってた自分の鼻を、先輩達がへし折ってくれて感謝してます』


『ふ。恒例の櫻川テニス部の洗礼が効いたわけか』


『恒例?』


『俺も一年の頃、先輩達に洗礼を受けた。うちに入ってくる新入部員は、中学では名の通った奴ばかりだ。当然、板野や当時の俺みたいに鼻高々になってる野郎もいる。それを先輩がへし折ってくれるんだ。鼻高々の奴は自分の実力とこれまでの栄誉に安心しきってる。そんな奴が、この先伸びる見込みはないからな。だから、その前に分からせるんだよ。上には上がいるってことを』