「ふ〜ん」
「何だよ」
「大ちゃんのその顔見たらもう何も言えない」
「その顔ってどんな顔だよ」
俺、今なんか変な顔してたか?
口の端を上げてニヤッと笑う拓真。
なんか嫌な予感がする。
こういう顔をする時はいつも良いことを言われた試しがない。
拓真は俺の耳に顔を寄せると、意気揚々とした声で言った。
「春香が好きで好きで堪らないって顔」
「っっ‼︎‼︎」
「あ、図星」
明らかに俺の反応で楽しんでる拓真。
こ、こいつ……っ!
まじで許さんっ‼︎‼︎
「拓真!お前、校庭二百周」
「はあぁぁっ⁈何それ!ひっでー!」
「は?どこが。早く走らねぇと日が暮れるぞ」
「クソ教師!無慈悲野郎!」
「何とでもいえ」
クソで結構!無慈悲上等!
拓真に何と言われようが屁でもねぇ。
他の部員に休憩終了を伝える。
拓真は海生に泣きつくも、海生に軽くあしらわれて泣く泣く一人で走り始めた。
俺の前を通過する度に文句を言いながら。

