『どうって…好きじゃないよ?』
そう言って、麻里香は俺を大きくて澄んだ瞳で見つめてくる。
絡まった視線に俺の心臓は煩いぐらいに高鳴って、時間が止まったかのようにその少しの間が長く感じた。
『私が好きなのは大介だもん。小さい時からずっと、私の王子様は大介だけなんだよ』
少し赤くなった頬。
潤んだ瞳。
艶やかな唇。
上擦った声。
全部が愛しいと思った。
この日、俺は自分の気持ちに気付いたんだ。
俺も麻里香と同じ。
ずっと前から麻里香のことが好きだったってことにーーー。
そういえばあの時、麻里香はバスケ部のキャプテンに告白されていたわけじゃなく、ただ委員会の話をしてただけだったんだよな。
俺の早とちりもいいとこ。
まぁ、結局は自分の気持ちに気付いて麻里香と付き合うキッカケになったから結果オーライだったわけだけど。
昔を思い出してぽけーっとする俺の顔の前で、「大ちゃん?」と春香が目をぱちくりさせる。
やっぱ二人は似てる。
姉妹なんだから当たり前なんだけど、どんどん麻里香に似てくる春香を見ると胸が少し痛んだ。

