「拓真がどうかした?」
春香はきょとんとした顔で俺を見てくる。
その大きな澄んだ瞳が麻里香の高校生の頃にそっくりで、俺はハッとした。
ーーーーあれは俺が高校二年の時だ。
当時学年一人気だったバスケ部のキャプテンに告白されてる麻里香を見て、居ても立っても居られなくなった俺はその場から麻里香を連れ去った。
『どうしたの?』と驚く麻里香に、俺はイラッとしたのを覚えてる。
どうしたの?じゃねぇよ。
何、呑気なこと言ってんだし。
俺は人気のない体育館裏で麻里香を連れて来ると、体育館の外壁にその華奢な体を押さえつけた。
『麻里香さ、あいつのこと好きなの?』
『え?どうして?』
『今、告られて嬉しそうに笑ってたじゃん』
思い出すだけでもむかつく。
告白されて笑ってるってことは、麻里香も悪い気はしないってことだろ?
『痛いよ、大介』
『どうなんだよっ!』
麻里香が言い終わる前に、俺は声を上げた。

