春香のやつ、また一段と大人の女性になった気がする。
一丁前に薄くだけど化粧して、ほんのりと香水まで付けて。
窓から眩しそうに空を見上げる時の目を細めた横顔なんて、今まで俺は見た事もない。
儚げで、綺麗だと思った。
「はぁ……」
正直、今の俺はダサいぐらい焦ってる。
自分の気持ちを自覚した途端この様だ。
妹としてではなく女として、春香が可愛く見えて仕方がない。
触れたくて…この腕の中に閉じ込めたくて。
その欲求を抑え込むので精一杯な余裕のない自分に心底呆れる。
相手は高校生だぞ?今まで妹だと思ってた春香に、だ。
俺は溜め息を吐いて視線をやや下に向けると、春香が「それで?」と俺の顔を覗き込んで来た。
大きな目をぱちくりさせて、急に目の前に現れた春香に、思わず「ゔおっ!」と声を出して仰け反る。
「うおっ!って、そんな驚くことないじゃん」
ムッと眉を寄せ、頬を膨らます春香。
ドキッと跳ねた心臓がうるさい。
何だこれ。これじゃまるで高校生の恋愛みてぇじゃん。

