「大……ちゃん?」
「起こしちゃったな。春香、一人にしてごめん。辛かったろ……」
もう一度、頭をポンポン撫でる。
「ゔ、うゔ……」と春香の顔がみるみるうちにクシャクシャになって、「大ちゃあぁぁんっ‼︎」と泣きながら俺に抱き着いた。
小さい身体を抱き締める。
辛い現実だ。まだ中学生の春香には背負い切れない。
「おねっ、えちゃんも、お父さ…んも……冷た……っ、くて……」
冷たい。春香の言葉に、ハッとした。
式場からの記憶が曖昧で、いつの間にか霊安室の前に座ってた。
だけど、麻里香の身体の冷たさをこの手が覚えてる。
温もりがなくて。冷たくて。
現実なんだ、嘘でも冗談でもないんだ、と実感した。
「お母さ……まで、死んじゃったら、っっ……どうし、よ……」
「大丈夫。おばさんは死なない」
「っ、一人になりたくない…よ……っっ、」

