「横山さん、急ぎましょう。病院までお送り致します。さぁ、春香さんも一緒に」
「大ちゃん……どうしたの?お姉ちゃん達に何があったの⁉︎」
春香が俺の服を掴んで、俺の身体を揺さぶる。
不安な表情で、目に涙を浮かべて。
「春香さん落ち着いて下さい」
「ねぇ!大ちゃん!答えてよ!」
頭が働かない。
答えてと言われても、何が起こってるのかさっぱりわからない。
ただ、ずっと頭の中を回っているのは、
“息を引き取りました”
警察のこの言葉だけ。
「とにかく早く車に乗って下さい!」
惰性で足を動かし、車に乗り込んだ所までは何となく覚えてる。
気がつくと、俺は霊安室の前のベンチに一人座っていて。
頬が涙で濡れていた。
あれからどれぐらい経ったのだろう。
「あれ……春香……?」
いるはずの春香がいない。
嘘だろ!春香まで…何かあったのか……?

