なんで警察から麻里香の携帯で電話が来るんだ?
心臓が苦しく鼓動を鳴らす。
変な汗まで出てきて、携帯をキツく持ち直した。
「婚約者の横山です。あの、麻里香は?」
【……落ち着いて聞いて下さい。近衛麻里香さんの乗った車が大型トラックに前方から追突されて、病院に運ばれましたが間もなく息を引き取りました】
「……は…」
息を、引き取った……?
嘘だろ……これは新手の詐欺か……?
【運転されていたお父様もお亡くなりになりました。唯一後部座席に座っていたお母様は、重症ですが命に別状はないそうです。すぐに東総合病院まで来て頂けますか?】
なんだ、こいつ。
淡々と…そんな嘘をよくつけるな……
「嘘、ですよね……?麻里香に変わって下さい。これから結婚式なんですよ。ふざけてる時間はないんです」
【……残念ながら、嘘ではありません】
嘘じゃない……?
麻里香が、死んだ…………?
目の前が真っ暗になった。
俺は腕をだらんと垂らすと、通話中の携帯が地面に落ちる。
それを金田さんが拾って耳に当てると、二言ほど話してすぐに電話を切った。

