中間試験は、梅雨に入ったばかりのじめじめとした気温の中行われて、みんなストレスがピークに達していた。



「明日でやっと終わりだよ〜」



テスト期間、部活も休みになるため人一倍ストレスがたまっている楓が大きなため息をつく。


すべての部活が試験1週間前から活動禁止となるから、放課後が静かになる。



「期末はこれより科目多いなんて考えたくもないね……」



3人の中では1番頭の良い心音も、疲れている様子だ。



あたしはというと、凛ちゃんと距離を置くと決めた日から猛勉強して、今日の試験結果にはなかなかの自信がある。


でも……。



「あ、九条先生」



教室から出ると、隣のクラスの2組前の廊下に凛ちゃんがいた。


思わず楓が名前を呟いたのはきっと……。



「美浜先生と話してるね……」



心音の口振りも気まずそうだ。


仲良さそうに話をしている、凛ちゃんと美浜先生。


見ないようにしても、視界に入ってくるものは仕方がない。



凛ちゃんのことでいちいち心が乱されるのは、変わらずだ。