今まで幼なじみだからという理由でそばにいたけど、どうあがいたって先生と生徒という関係は変わらない。



せめて、あたしが卒業するまではなるべく距離を置いたほうがいい。



「そっか。 ひまが頑張るなら邪魔しないほうがいいな」



違う。 邪魔なんかじゃない。


でも、そう言うこともできない。



なんであたしたちは、こんなにも微妙な関係なんだろう。


凛ちゃんが同い年だったら、この高校の先生じゃなかったら……。


たらればを考えたって、仕方がない。



「進路も考えないといけないし……。 映画は友達といくよ! だから、凛ちゃんも片付けのお礼なんて気にしなくて大丈夫だからね」



ふわりと笑い、静かにうなずいた凛ちゃんに泣きそうになった。



これは、あたしのケジメだ。


凛ちゃんへの恋心を封印する。



好きだと伝えても凛ちゃんは困る。


それなら、離れていたほうがいい。



でもいつか、絶対に気持ちを伝えたいとは思う。


そんな決意を胸に、これからもあたしは彼を思い続ける。