朝食を平らげてから、洗面所でスキニーに着替えた。
昨夜借りたTシャツは、そのまま着ていくことにした。
「なんか、男物のTシャツ着てると朝帰り感があるな」
「実際、朝帰りだし……」
車中、助手席に乗って凛ちゃんとそんな話をする。
目的である家をきれいにすることは無事、達成できたのでよかったと思う。
「はは、確かに。 でもひまに手伝ってもらって助かったよ。 ありがとうな」
「ううん、全然! またなんかあったら言ってね」
「頼りになるなぁ。 来月のテスト期間入る前、映画連れてってやるからな。 今回のお礼も含めて。 前にも話してたよな」
また、次の約束ができる。
こんな嬉しいことってないと思う。
「うん! 楽しみにしてる……!」
幼なじみという鉄壁。
それにすがっていたら、ずっと変わらない関係でいることができる。
気持ちを伝えたい。
でも、先生と生徒という関係でもある。
身動きができない。
それでも、幸せを感じた2日間だった……。