凛ちゃんにとって、あたしと一緒に寝ることはなんてことないんだろうな。


ドキドキするけど、どこか彼が戻ってくるのを待ってる自分がいる。


ぎゅっと目をつむる。



「ひまー、もう寝た?」


「お、起きてるよ……!」



やっぱり寝たふりをしてしまおうかと思ったけど、思わず返事をしていた。


緊張してるくせに、話したいと思う。


つくづく、彼が好きだと実感する。



「そっか。 仕事しようと思ったけど、せっかくだし俺も寝ようかな」



暗闇の中で、凛ちゃんの近づく気配がする。


被っていた布団があたしから離れていく。



「……あれ? ひま、そっち向いてるの」


「壁側向いてたほうが安心するっていうか……!」



息がかかる距離に凛ちゃんがいる。


ど、どうしよう……。



「ふうん」



凛ちゃんのつまらなそうな声。


壁側向いてたほうが安心する、なんて、我ながら変な理由だと思う。



でも、近距離で凛ちゃんと向き合うのは、ちょっと……。



「……こっち、向いてくれないの?」