あたしにとって、凛ちゃんは本当のお兄ちゃんみたいに頼りになるけど。


大好きな人なの。

……もちろん男の人として。



「凛ちゃん……?」



思わず黙り込んでしまったけど、凛ちゃんも口を結んでいた。


ボーッとした様子でカレーを見ている。



「あ、悪い。 ちょっと考え事してた」


「そっか……。 仕事のこと?」


「あー、うん。 そんなところかな」



困ったように笑うから、それ以上聞くことができなかった。


凛ちゃんのことはなんでも知っているようで、たぶん、知らないことが多い。


今みたいに濁されたら、踏み込んではいけないラインがハッキリする。



これが、幼なじみの距離なのかな……。



「寝るとき、ひまがベッド使って寝ていいからね」


「えっ、凛ちゃんは?」


「俺はソファーでいいから、気にすんな」


「それはダメだよ!」



反射的にそう返していた。



凛ちゃんが目を丸くしてあたしを見る。


少し大きな声を出しちゃったな……。