「ごめんな。 大したメシ作れなくて」
「ううん！ カレーすごくおいしいよ」
時計の針が１９時を示す頃。
お母さんに連絡をしたあと、片付けをほとんど終わらせて、夕方には凛ちゃんが夕食を作ってくれた。
買い物にいけないから冷蔵庫にあるもので作ると、申し訳なさそうに話していたけど……。
「凛ちゃん料理もできるなんてハイスペックすぎる……」
「いやそんなことねーよ」
そんなことある。
と、半分はすでに胃の中に消えたカレーを見つめながら思う。
カレーとスープとサラダが並ぶテーブルに、凛ちゃんと向かい合って座っている。
ひとり暮らしなのにこれだけの材料が冷蔵庫にあるってことは、普段から料理をしてる証拠だ。
「今日は本当にありがとな。 家の中ほとんど片付いたよ」
「へへ、よかった〜！ 懐かしい写真も見れて楽しかったよ」
「写真か。 小さい頃からずっと一緒だよな、俺たち。 兄妹みたいに」
兄妹、か……。
凛ちゃんの口からそう言われると、心にグサッときてしまう。
