どうしてキスしたのか。
凛ちゃんはあたしのことをどう思っているのか。
いろんな疑問だって、あるけど。
それも考えられなくなるほど、ドキドキして仕方ない。
「ずるいなぁ……」
「へ?」
「なんでもないよ。 ほら、いい加減ベッドから降りて」
凛ちゃんに促されて、ベッドから降りると床に座った。
なにか気に障ること、言っちゃったのかな……。
「……ひま。 ちょっとこっち向いて」
凛ちゃんの真剣な声。
弾かれるように、そっちを向いた。
「どんなことがあっても、ひまのこと嫌いになったりしない。 それだけは、忘れるなよ」
それは、あたしの不安な気持ちを一掃してくれる、優しい言葉と声だった。
凛ちゃんの気まぐれな態度は時に、あたしをドキドキさせたり混乱させたりする。
「嫌いにならない」は、つまり「好き」に変換される。
これはきっと、幼なじみの特権だ。
家族に対する感情に近い。
「それにしても、雨すげーな……」
そうぼやいて、窓の外を見るように凛ちゃんが立ち上がる。



