あたしは相変わらずベッドに寝そべったまま、凛ちゃんの背中を見つめる。


なんで、急に素っ気ないの?


もしかして、他人がベッドに寝ることがすごく嫌だったのかも……!



どうしよう。 謝らないと……。


と思って体を起こした、その瞬間。



「わっ……!」



あたしに覆い被さるように、凛ちゃんがベッドの端に座る。


あたしはまた、寝転がってしまう。



ドキドキドキ、心臓がうるさい。


近距離で凛ちゃんと目が合う。



「……俺だって、男だよ」



そこに、笑顔の凛ちゃんはいなくて、ほんの少しだけ、こわいと思った。


ドキドキと、ほんの少しのこわさ。


それが合わさって、名前の付けられない感情になる。



「日葵」



ーーこわい、という感情が消え去った。


珍しく名前をちゃんと呼んだ凛ちゃん。



なにを考えているんだろう。


あたしの心臓の音だけが、大きく響いているように思える。



「襲ってもいい?」


「えっ……」


「どういう意味か、わかる?」



ちゅ、とほっぺにキスをされる。