玄関は片付いている。 だけど、すぐ近くにダンボールを見つけた。
あたしがそれを見つけたのを見て、凛ちゃんはゆるく笑った。
「そのダンボール、昔の写真が入ってるんだよ。 靴箱の上に飾ろうと思ってて」
「へえ〜! じゃあ、あたしこれ片付けようか?」
「ありがとう。 でも中に入って荷物置いてからで大丈夫だよ」
凛ちゃんに促されて、リビングへ向かった。
廊下には、洗面室とトイレがある。
その廊下を歩いていくと突き当たりにリビングがあって、その隣が凛ちゃんの部屋。
ほんとにひとり暮らしなんだな〜……。
凛ちゃんの言っていた通り、ダンボールもたくさんある。
「あ、凛ちゃん! これお母さんから」
ショルダーバッグを置いてから気づいた、お菓子の袋を凛ちゃんに手渡す。
中身を覗いて、目を丸くする凛ちゃん。
「お菓子? お世話になるのは俺のほうなのに……ごめんな。 ありがとう」
「あとで食べようね!」
「そうだな。 よし、じゃあひまはテレビ周りの小物と、玄関の写真とかお願いしてもいいか?」