きみ以上に、好きな人はいない






6階建てのマンションだ。


車の中からまじまじと眺めていると「まだ降りるなよ」と笑われてしまった。



凛ちゃんが隣に住んでいた頃も、遊びにいった回数は少なかったと思う。



あたしが凛ちゃんを好きだと意識し始めたのは中学生になってからだ。


そのとき、凛ちゃんは大学受験で忙しかったから、部屋で遊ぶということはなかった。



「おーい? 着いたよ」


「いつの間に!」


「ぼーっとしすぎ。 よし、行こ。 俺の部屋は3階だから」



荷物を持って、車の外に出た。


ドキドキ、高鳴る胸をおさえる。



凛ちゃんが大学受験で忙しいから遊べなかった、と、いうのは都合のいい言い訳だ。


ただ、あたしが緊張して会いに行けなかったというのが正しい。


凛ちゃんは、いくら勉強が大変でもあたしを優しく迎えてくれるから。



「ほんとにダンボールだらけだから驚くなよ?」


「う、うん……」



エレベーターに乗って、3階に着いた。


その一番奥、303号室が凛ちゃんの家らしい。



「どうぞ」


「お邪魔します……!」