きみ以上に、好きな人はいない






凛ちゃんが大学に入ってからも年に1回は会っていたけど、家族もいたし、ふたりきりではなかった。


緊張やワクワクもあるけど、一番大きいのはドキドキだな……。



ーー翌日。



「凛くんによろしくね〜」



お母さんに見送られて、あたしは急いで家を飛び出た。


右手にはショルダーバッグ、左手にはお菓子が入った袋を持つ。



「あ、日葵ー!」



呼吸を整えてエレベーターが来るのを待っていると、お母さんが呼んでいた。


忘れ物してたかな……と思いながら戻ると案の定、カサを渡された。



「午前中少し雨降ったでしょ。 念のため持っていきなさい」


「うん、ありがとう!」



お母さんにお礼を言って、今度こそエレベーターに乗り込んだ。


もう凛ちゃんはマンションの前で待っていてくれている。



「へ、変じゃないかな……」



エレベーターの鏡を見ながら、そわそわと髪の毛を触る。


鎖骨くらいまである黒髪は、普段そのまま下ろしているけど、今日は高い位置でポニーテールしてみた。