なんで今、こんなに緊張してるくせに、数日前のあたしは「凛ちゃんのお家楽しみ!」なんて言ってたんだろう。 自分と思えないよ。


他人より昔の自分のほうがわからない……。



まあ、楽しみなのは確かなんだけど!


緊張する、なんて、あたしが意識しすぎてるだけだよね。



せっかく凛ちゃんと時間を過ごせるんだ。 大切にしないと。



「疲れたー!」



ベッドにダイブして、リュックを放った。


リュックについているネコのキーホルダーが揺れている。


横になったままそれを見ながら、頭の中で明日のことを考える。



13時に凛ちゃんが迎えにきてくれる。


それまでにお昼ご飯を食べて、準備も済ませる。


まさかとは思うけど、寝坊はぜったいにしないぞ……。



「んーっと……」



ごそごそとリュックに手を入れてスマホを取り出す。


あたしがみたいと思っている映画は、今月末に公開される。


凛ちゃんに話すと、快くオッケーしてくれたので、それをみに行く予定だ。