「うん! ありがとう」
「んー。 あと、行きたいところ決まった?」
「いや、それがまだ……」
なかなか思いつかないんだよなあ。
見たい映画とかなら、あるんだけど……。
「……あっ、映画!」
たった今、思いついたことを口走る。
テーブルにコーヒーを置いて、うーんと腕組みしてみせる凛ちゃん。
「俺も映画好きだし、いいと思うけど……近場だとまずいかな?」
「そっかー」
「ううん、でも大丈夫。 少し遠い映画館いってみようか」
「ほんと? いいの!?」
近場の映画館なら楓や心音とよく行っている。 初めて行く映画館、ワクワクするなぁ。
凛ちゃんの運転も楽しみだし……!
「もちろん。 就活とか引っ越しでバタバタしてたから、映画ひさしぶりかも」
「そっかぁ! 凛ちゃんの新しいお家遊びにいってみたいな〜……!」
「まだダンボールだらけ……」
と、苦笑いする凛ちゃんに目を丸くする。