きみ以上に、好きな人はいない






ふたりで顔を見合わせて笑う。


変な感じ。 通い慣れた高校に、凛ちゃんがいて、笑い合ってるなんて。



「凛ちゃんブラックコーヒー飲めるの?」


「あ〜……まあ、ちょっと」


「え? それブラックコーヒーじゃないの?」



凛ちゃんの飲みかけのコーヒーを指差すと「違うよ」と首を振られた。


カフェオレしか飲めないあたしには真っ黒に見えるけど……。



「砂糖が入ってるよ。 俺もブラック飲めるほど大人になりたいもんだな」


「へ〜……凛ちゃんでもそんなこと思うんだ」



あたしにとって大人な凛ちゃんが、大人になりたいと思うのか。


ふしぎだなあ……。



「ね! ここまた遊びに来てもいい?」


「遊びにー? それはちょっとマズいな。 俺専用の教室ではないし」


「ちぇー」


「でも、数学ならいくらでも教えてやるから、来たらいいよ」



凛ちゃんの言葉1つで舞い上がる。


苦手な数学も頑張ろうと思える。 すごいパワーだよ。