「なあ、この問題解けた?」
「えっと……そこ難しいよね。 たぶん、この公式使うと思うんだけど……」
隣の席の間宮に話しかけられ、自分のノートに目を移して答える。
すると、間宮は「なるほど、わかった。 ありがとな」と笑った。
苦手なりに頑張ってるほうだと思う。
ちゃんと答えられて、よかった〜!
「九条先生、彼女いると思う?」
「えっ!? 急にどうしたの……」
「あんなイケメンだろ。 純粋に気になってさ」
「そ、そうだね〜」と歯切れの悪い返事をしながら、凛ちゃんを見る。
女の子数人に教えているみたいだ。
背の高い凛ちゃんは、中腰でノートを覗き込んでいる。
「あんな近くに顔あったらドキッとするよな〜」
今、まさに、あたしが思っていることを言葉にした間宮。
び、びびびっくりしたあ……。
あたしが思わず口にしたかと思ったよ。
「ま、間宮でもドキッとするの?」
「わかんないけど、顔が整ってるのは男女関係ねーかなって」
そういうあなたも顔整っていますが……。