見上げると、先生の顔をした凛ちゃん。
シャツのボタンは1つだけあいていて、グレーのネクタイをしめている。
男子の制服は学ランだから、シャツとネクタイの組み合わせは大人っぽいな〜と感じる。
「ちゃんとやってますよ〜」
敬語で返すと、凛ちゃんは満足そうにほほ笑んで頷いた。
あ~~その笑顔は、反則だよ……。
凛ちゃんが好きだという気持ち、伝える気はないけど、今でも十分幸せだ。
「周りと相談してもいいよ〜」
凛ちゃんが言葉をかけると、教室はざわざわと騒がしくなる。
あたしの高校は、2年生から文系クラスと理系クラスに分かれるから、今のクラスは昨年とあまり変わらないメンバーなのだ。
だから、新しいクラスになって1週間ほどでもこんなに賑やかなんだよね。
ついでに言うと、あたしは根っからの文系人間で、凛ちゃんに把握されていた通り数学が大の苦手だ。
文系クラスだから、数学の授業なんてなければいいのに……。
あっ、でもそうしたら凛ちゃんの授業受けられないのか。
それは嫌だなぁ。
あたし矛盾してる……。