凛ちゃんは困った顔をしたけど「それ以前にさ」と笑った。



「俺ら幼なじみでしょ? なにもやましいことないよ」



確かにそうだけど……。


もし学校の子に見られたら、先生と生徒がふたりきりで会っていると思われる。


それが知れ渡ったら、どんな言い訳をしても信じてもらえない気がする。



「わかった。 遠出したらいいんだよ。 どう?」


「へっ」


「久しぶりだからってがっつきすぎだよな。 また連絡するよ」



なんかその言い方、凛ちゃんがあたしとの時間を作ろうとしてくれてるように聞こえる……。


思わずにやける。 付き合っていなくても、幼なじみって関係がある。


凛ちゃんと一緒にいることは、できるんだね。



「ううん、うれしい! あたしも凛ちゃんとお出かけしたい」


「よかった。 行きたいところ考えておいてね」



凛ちゃんとそんな約束をしたあとカフェに向かうと、楓と心音に「にやにやしてどうしたの?」って聞かれたのは言うまでもない。