本当に優しいなあ、凛ちゃんは。


落ち着きすぎて、もはや結婚してます感も出てるよ……。


って、それはあたしがつらいわ。


思わずセルフツッコミ。



「凛ちゃんはどうしてここにいたの?」



自転車のカゴにリュックを入れながら、気になっていたことを聞いてみた。


すると凛ちゃんは、裏門の近くにとめてある1台の車を指さした。



「ここ、教員用の駐車場なんだ。 俺も帰るところ」


「へえ〜! 凛ちゃんの車、黒なんだ。 かっこいいね……!」



車体が低めの普通自転車だ。 高級車っぽいな……。


と、まじまじ観察していると凛ちゃんに笑われた。



「今度乗ってみる?」


「え、いいのー!?」


「もちろん。 ひまが行きたいところ連れていってあげる」



うれしいな〜! 凛ちゃんの運転でお出かけするの……!


って、浮かれたけど、今は先生と生徒という関係でもあるからダメ、かな……。



「あ、あんまりよくないよ……。 同じ学校の先生と生徒だし……」