凛ちゃんってば、学校でなんてこと言うのよ……って、学校!?



「そうだよ、学校ではなるべく関わらないようにしないと! ていうか、友達待たせてるから急ぐね!」



改めて自転車に向き合う。


うあ〜、やる気をなくす光景だな……。



「手伝おうか? ひまの自転車どれ?」


「えっ、いいの?」


「それくらいもちろん」


「ありがとう凛ちゃん……。 えっとね、この白色の自転車!」



あたしが自転車を示すと、凛ちゃんは眉間にしわを寄せた。


学校ではなるべく関わらないって、さっき言ったばかりだけど、つい凛ちゃんの優しさに甘えちゃったなあ……。



「なんでこんなことになるかな〜……」



と、ぼやきながらも、凛ちゃんは手際よくあたしの自転車を救い出してくれた。


さすがだ。



「はい。 気を付けて帰りなよ」


「ありがとう! 助かりました!」


「どういたしまして。 役に立ててよかったよ」