「え、凛ちゃ……九条先生!」
いつも通りの呼び方をしてしまったから、慌てて言い直した。
凛ちゃんはふ、と笑うと、あたしの近くまでやってきた。
「ひまに九条先生って呼ばれるの、なんか変な感じ」
「ちょ、それあたしのセリフだよ……! この前なんにも教えてくれなかったじゃん! うちの高校の先生になるって」
自転車置き場にあたしたち以外誰もいないのをいいことに、問いただしてしまう。
本当に、びっくりしたんだから。
「うん、ひまを驚かせようと思ってね」
「タチ悪いよ……。 あたしがどれだけびっくりしたと思ってるの!」
「そんなに怒らないのー。 かわいい顔が台無しだよ」
凛ちゃんがちょんちょんとあたしの眉間をつついてくる。
近い!! なんなの凛ちゃんー?!
「台無しとか言わないでくださいー」
「笑ってるひまがかわいいって言ってるのに」
「り、凛ちゃんの天然タラシ!!」



