きみ以上に、好きな人はいない






間宮は友達と体育館を出ていき、あたしも行こうと思ったとき、ふいに肩をつかまれた。



「職員室、どこだっけ」


「あっ」


「案内してほしいな」



そこには、スーツ姿でにこっとほほ笑む凛ちゃんがいた。


びっくりして、思わず後ずさる。



な、なんで……。


あたしに声をかけてくるの?


他人のふりをしたほうがいいに決まってる。


学校では凛ちゃんと話さない……。



「九条先生、職員室の場所わかんないのー? あたしたちが連れていってあげるよ!」


「ひゃ〜! 先生、近くで見るとさらにイケメンだね!」



クラスの女の子たちが凛ちゃんを囲んで、きゃあきゃあと盛り上がる。



逃げるチャンスだ。


あたしはコソコソと体育館を出た。



気になって体育館のドアからこっそり覗いてみると、凛ちゃんは困った顔で女の子たちの相手をしていた。


そもそも、職員室の場所なんて他の先生に聞いたらいいんだよ。



なんで、わざわざあたしに……?


偶然?


それだったらすごい。 まだ体育館には他の生徒もいたから……。