朝のHRが終わると、次は始業式だ。
始業式のあと、またHRがあって、今日はそれで終わり。
「みんな席遠くない? 近くがよかったな~」
体育館に向かいながら、楓が不満そうに唇をとがらせる。
なんだ、あたしと同じこと思ってたのか、なんて考える。
「あたし1番前嫌だなぁ。 ひまちゃんの席がよかったよ~」
「ほんとに! 日葵の席最高だよね!」
心音に同意するように、楓も頷く。
ま、誰だって1番後ろの席がいいか~。
でも、あたしはふと間宮くんのことを思い出した。
「うーん、そうでもないよ。 隣の席の男の子お喋りっぽいし」
「あ、間宮くんだっけ! いいじゃん、楽しそう~」
そんな話をしていると、あっという間に体育館に着いた。
2年生と3年生だけだと、いつもより体育館が広く感じるな〜。
それから、開会宣言、校長先生のお話、なんてものは耳をすり抜けていたんだけど。
「……では、今日からお世話になる先生方を紹介します」