端正な顔立ちをしていて、男前って感じ。
黒髪のくせっ毛で、人懐っこい笑顔が印象的だ。
動物に例えるなら犬っぽい、かな。
「俺ら名前似てるね!」
「え、そ、そうかな……?」
教卓に立っている先生が話をしているにも関わらず、こっちを見てくる間宮くん。
なんなの。 名前?
これで、間宮と吉川うるさい、なんて注意されたくない。
「どういう漢字書くの?」
「え、……っと、日曜日の日に、くさかんむりの葵って書くけど」
なんで今、HR中にこんなことを答えないといけないのよ。
間宮くん、要注意人物かも……。
「ふーん。 いい名前だね」
「ありがとう……」
「俺は太陽に向かうって書いて陽向って、読むんだ」
「間宮くんこそ、いい名前だね」
陽向と日葵、なんだか双子に付けられそうな名前だなぁ。
間宮くんはうれしそうに頷いて、それからはまじめに話を聞いていた。