「ぅわっ……、ごめん!」
理性を取り戻して、大きな声を出してしまった俺をひまが目を丸くして見上げてくる。
手を差し出すと、ひまが体を起こして、なんとなくお互い正座になり向き合う形になった。
「ヤバかった……。 ごめん、ほんと」
「そんなに謝らなくていいのに。 か、彼女なんだし……」
自分で言っておいてモジモジと恥ずかしそうに笑うひまに、愛おしい気持ちが込み上げてくる。
卒業したら、ひまをもらう。 なんて話をしていたけれど。
昔からいちばん大切な女の子だから、そう簡単なことではなかった。
ひまの両親と改めて挨拶をした時だって、あの「わかってるよな?」という親父さんの目線は忘れられない。
一度たかが外れたらどうなってしまうのか、俺自身もこわい。
うつむいて、眉を寄せていたからか、ひまが心配そうに覗き込んできた。
「凛ちゃんとなら、いつでもそうなってもいいって思ってるからね、あたし」
「……!」
「だから、そんな顔しないで、凛ちゃん」
「その言葉だけで十分だよ」



