そんなふうに言ってもらえるの嬉しいし、それに……。


ゆっくりとあたしも凛ちゃんの背中に腕を回して、抱きしめる。



「……凛ちゃん、だいすき」



離れていたって、頑張ることが出来たのは凛ちゃんの存在があったからこそだ。


きっと、あたしにとって凛ちゃんがどれ程大切な存在なのか、彼は知らない。



生まれた時から、身近にいたカッコいい男の子。



同級生はカッコいい先輩をウワサしたり、彼氏がどうとか、盛り上がっていたけれど。


ずっと、凛ちゃんしか見えてなかった。



「まだ学校だって忘れるから、勘弁して……」


「……ねえ、凛ちゃんも、」



すきだ、って、言って。


先程とは打って変わって、視線さえ合わせてくれない凛ちゃん。


その横顔は微かに紅くなっているように見えて、ギュッと心臓をつかまれたみたい。



もう! こっち向いて!


うんと背伸びをして、凛ちゃんのほっぺたに触れるだけのキスをした。