きみ以上に、好きな人はいない






ふいに、ドアが内側開いて、ドアノブを握っていたあたしは倒れ込むように……。



「わぁっ……!」


「……ひま」



……倒れ込んだ先は、凛ちゃんの胸の中。


後ろでバタン、とドアが閉まる音と同時にガチャ、と鍵の閉まる音もした。



こ、この部屋鍵ついてたの……!?


と驚く間もなく、ふわりと髪の毛に凛ちゃんの唇の感触が落ちてきて。


次に、耳、ほっぺた、と移動して……。



ばち、と近距離で目があった。



「ひま、卒業おめでとう」


「ありがとう、凛ちゃん」



恥ずかしい、近すぎて。


泣いてばっかりで、ぐしゃぐしゃな顔になってることを思い出して、少しだけ距離を取ろうとした。



「……だーめ」



でもそれは、凛ちゃんの腕によって阻止されて、ぎゅ〜っと抱きしめられてしまった。


こ、こんな熱烈だとは……。


凛ちゃん、ここ学校だよ!!!



「めちゃくちゃ癒される……」