「……手、繋いでもいい?」



手首を握られてるだけだと寂しい。 様子をうかがうように、凛ちゃんの顔を覗き込んで聞いてみる。


その瞬間、顔を上げた凛ちゃんと目があってお互いに笑い声が出た。



ーー10!9!8!



カウントダウンが聞こえてきた。 手を繋いで出店があるほうへと向かう。


境内にはたくさんの人がいて、声を揃えてカウントダウンをしている。



ーー7!6!5!4!


ああ、どうにかして……いま一緒にいられる喜びを伝えられないかな。


ちらりと凛ちゃんの綺麗な横顔を見る。


ほっぺたに……。



ーー3!2!



背伸びをして、凛ちゃんのほっぺたに唇を近づけ……。



ーー1!



「今年もよろしく、ひま」


「んぅっ……」



あたしの企みはあっさり破られ、凛ちゃんにキスされていた。


あちこちでハッピーニューイヤー!と盛り上がる中、あたしは冬にも関わらず顔だけ熱い。



「り、りり凛ちゃん……っ」


「ほっぺたにキスしようとするひま、かわいかったから。 悪かったって。 ……はい」