「お母さんがね、凛ちゃんといたらどう?って!」
「おお、そりゃ俺もそうしたいところだけど……」
凛ちゃんの表情が曇り、考え込むような仕草をする。
この辺りには同じ高校の人が多く住んでる。 やっぱりいまはだめ……。
手に持っていたスマホの画面を明るくして時間を確認すると、もごもごと話しだす。
「あっ、えっと、やっぱりお母さんたちのところに戻ろうかな〜。 カウントダウンも始まっちゃうし!」
「あ、ほんとだ。 あと3分だ」
「じゃあ、凛ちゃんよいお年を! いくね!」
凛ちゃんに困った顔してほしくない。
一緒に居たいだけでは、どうにもならない。
いまは距離をおかなければいけないし、浮かれてるのはあたしだけだ……。
「待ってよ」
「っ!」
凛ちゃんが手首を掴んで、あたしの足は止まった。
びっくりした……!
「……年越し、だけ」
「へ?」
「年越しくらい、一緒にいたってバチ当たらないよな……」
出店があるほうから、あたしたちがいる脇道まで賑やかな様子が伝わってくる。



