きみ以上に、好きな人はいない






「俺も」



凛ちゃんはそう言って、一層抱きしめる力を強めた。



神様は意地悪だ。


よりにもよって、あたしの通う高校に、好きな人を〝先生〟として来させなくてもいいじゃん。


年の差があるから、同じ学校に通えたのは恋心も自覚していなかった小学生の時だけ。



好きでたまらない人が同じ場所いるのに、肩書きの違いが立ちはだかる。



「……あのね」


「ん?」



少し離れて、手を繋いで向き合った。


凛ちゃんと話せる機会なんて、卒業しない限りないと思ってた。



「守ってくれてありがとう。 あたし、進路見つけたよ」


「っ、ひま……」



眩しそうに目を細めた凛ちゃん。 あたしには泣きそうな表情に見えた。


大好き。 大好きな凛ちゃん。



「頑張ってるから、目指すもののために。 卒業して、大学生になれて、その時あたしのこと少しでも好きだったら……」



気持ちが変わってしまうことなんて、想像したら胸が痛いけれど。


今は教師と生徒。 付き合えるなんて、もってのほか。


片思いみたいなものだ。