きみ以上に、好きな人はいない






あたしの肩を抱く人物を見ようと顔を上げたと同時に、手に持っていたスマホをするりと抜き取られた。


〝凛ちゃん 通話中〟


と表示された画面を見せながら微笑む、愛しい人。



「なにこれ、奇跡?」


「凛ちゃん! ど、どうしてここに……!」


「俺も初詣来てて、こっちの脇道に入っていく女の子がひまに似てんなーって思ったら電話掛かってきたから、驚いたよ」


「あたし、電話はしてないけど……」



電話帳は開いてたから、偶然、凛ちゃんの連絡先を押してたんだろうか。


色々な奇跡が重なって、目の前に凛ちゃんがいる。



「電話、おかしいなと思って脇道に入ってみたらまさかだったな。 ほんとよかった……」



ぐいっと引き寄せられて、すっぽりと凛ちゃんの腕の中。


久しぶりだ、凛ちゃんのにおい。 安心するなぁ。



「凛ちゃんが恋しかった……」



脇道と言えど、まったく人通りがないわけではない。 また、いつどこで学校の人が見ているかわからない。


それでもいまのあたしに、そんなことを考える余裕はなくてただただ凛ちゃんを堪能したかった。