きみ以上に、好きな人はいない






電話帳の画面を開いたところで、誰かに声を掛けられた。


明るい髪色をした男の人がひとり、ふたり、3人……。 ぞろぞろと近寄られて、小さくヒッと声が出た。



「おっ、かわいい〜。 ひとりなら俺らと遊ぼーぜ」



声が出なくて、首を横に降ることしかできない。


ど、どうしよう! 周りを囲まれてしまって、逃げることができない。



男の人たちが喋る息はお酒くさい。 酔っ払って微塵も興味ないあたしなんかに声かけてるんだ。


こんなことなら、初詣来なきゃよかった。


お母さんお父さん、早速はぐれてごめんなさい。



「……お前らふざけんなよ。 俺の女に近寄んな」



地を這うような低い声が降ってきたと思ったら、ぐっと肩を引き寄せられていた。


一瞬なにが起こったかわからず、目をぱちくりさせるしかない。


その間に、数人もいた男の人たちは「ヒィ……! ごめんなさい!」と足早に去っていった。



「えっ、あの……」



二言と表情、それだけで男の人たちを追っ払ってしまった。