ーー大晦日。
年越しそばを食べて、あたしとお母さんとお父さん3人で近所の神社へと向かった。
夜中なのに人が大勢いる境内は、非日常感があって好きだ。
「すごい人だね……」
「日葵、はぐれないようにね!」
「そうだ、酔っ払ってるやつも多いからな」
お母さんとお父さんは心配そうにくぎをさしてくるけれど、もう、そんなはぐれるような年齢でもないのに。
境内はずらりと屋台が並んでいて、ほろ酔いな人たちも大勢いる。
そんな様子を横目に、みんな楽しそうでいいなあ、と思いながら前を見やると。
「……あれ?」
いない。 ついさっきまで前を歩いていたお母さんとお父さんがいない!
もうすぐ日付が変わって、新しい1年が始まる。
境内は新年を祝おうとたくさんの人が集まってきていた。 こんなにすぐ、はぐれるなんて……。
立ち止まってスマホを見てたら邪魔になる。 とりあえず端っこにいって電話しよう。
キョロキョロと周りを見渡しながら、脇道に入ってスマホの明かりをつけた。
「お姉さんひとり?」



