「う〜ん、そうだね……。 お正月くらい休んでもバチ当たらない?」


「そうよ! 日葵いっつも頑張ってるのに」


「はは、お正月どっかいくの?」


「近所の神社に初詣行こうと思ってね。 合格祈願もかねて!」



それは縁起がいいなぁ。


あたしが大学生になったら、堂々と凛ちゃんの隣にいられる。 そう思うことが心の支えだ……。



「凛くんとのこと、つらいと思う」


「……っ!」


「よく頑張ってるよ、日葵。 勉強だけじゃない。 好きな人と距離をおいてる状況で本当によく頑張ってると思う」



椅子に座っているあたしを、包み込むように抱きしめてくれるお母さん。


お母さんには凛ちゃんとのことを話してあって、これまでもすごく支えてもらっていた。


センター試験を直前に控えたいま、そんな言葉を掛けられたら……。



「っ、うっ、ひっく……」


「よしよし、偉いね、日葵は」



お母さんの声があまりにも優しくて、涙がぽろぽろとこぼれていく。


凛ちゃん、会いたいな。