それから日々は一変した。
簡単に言えば、色がない。
例えるなら、ぬり絵のまったく手をつけていない状態。 そのまま毎日が流れていくような。
あの写真については、時間が経つにつれて変なウワサなんかも収束していった。
凛ちゃんとあたしは、あからさまに避けるのではなくただの先生と一生徒に戻ったから。
「は〜〜〜」
時は流れて、吐く息が白くなる季節、冬になった。
センター試験は約1ヶ月後に迫っている。
「長えため息だな」
靴箱で履き替えていると、うしろから声を掛けられた。
マフラーを巻き直しながらゆっくり振り向くと、そこには。
「……間宮」
「覇気がない顔してんなぁ。 勉強の調子どう?」
「まあまあかな。 センターも合格圏内、のはず」
「ふ〜ん。 あんなことあったけど、ちゃんとしてるんだな」
間宮が言うあんなこと、って凛ちゃんのことしか、ないか。