「じ、実は、旅行前にちゃんと付き合うことになって、旅行もその……楽しかったです」
「きゃ〜〜〜〜!!!」
「お、大きい声出さないでよ、楓!」
と、周りを見渡すとクラスメートや他クラスの人達にもじろじろと見られていた。
そんなにうるさかったかな……。
改めて報告する恥ずかしさを誤魔化すように、あたしは先に教室に入った。
「あ、吉川やっと来たー!」
「ご本人登場〜!」
教室に入ると、クラスメートの視線が一気にあたしに注がれた。
ご本人登場? あたしなにかしたっけ……。
訳もわからず立ち尽くすしかない。 廊下には他クラスの人たちの野次馬ができている。
「吉川さん、これどういうこと?」
「え?」
女の子がひとり、あたしの前に立って自身のスマホの画面を見せてきた。
そこには……。
「っ、これは……」
見せられた1枚の写真に、あたしは言葉を失った。
だって、そこに写っていたのは。
「九条先生と吉川さん、どういう関係なの?」