「おとなになったら教えてやるから」
「……うん」
「俺の隣でゆっくりおとなになって」
そのときの凛ちゃんの表情があまりにも優しくて、涙がこみ上げてきた。
なにがあっても、彼の隣にいていいのだと確信できる。
何よりあたしが凛ちゃんのそばにいたいと、強く思った。
大雨で凛ちゃんの家に泊まったことがあった。 その時に、あたしは「がんばって大人になる。 だからずっと見ていてほしい」と伝えた。
それの応えを、もらえた気がした。
「凛ちゃんはかっこいいなぁ。 あたしの王子様だね」
「王子様なんて柄じゃないから」
「へへ、大好き。 凛ちゃん」
「また激しいキスされたいの?」
「そ、それは……!」
あたしの心臓が持ちません!
そのあと、19時になると料理がきて、ふたりでゆっくり味わい、部屋から花火を見て、夜が更けると、凛ちゃんの隣で眠った。
ーー翌日。
「……ん〜、……はっ!」
心地いい旅館のお布団のなか。 目覚ましなんてかけてないのに、ふっと目がさめた。
すると近くに優しく笑う凛ちゃんがいて、驚いたあたしは飛び起きそうになった。
「ごめん、起こしちゃった?」



