くすぐったくて、身をよじりそうになるけれど、イヤホンを置いた彼はその手をあたしの顔の横につくから、動けなくなる。
「あ、あの、りんちゃん……!」
お泊まり、ふたりきり、お風呂上がり。
そんな状況、事実を並べてみても混乱するばかりで、あたしはどうすることもできない。
「ん? なに?」
凛ちゃんは緊張のきの字もないみたいな顔で、手を鎖骨からあごへとスライドさせる。
な、なななにこの体勢は……!
「その、心の準備とか、ね!」
「ひまをもらうのは卒業してからって決めてるから。 キスだけ、していい?」
「き、聞かないで〜〜〜!」
顔から火がでそうなほど恥ずかしくなって、勢いよく両手で顔を隠した。
あ、これじゃあキスが、できない……。
と、思ったからか自然と顔から手が離れてしまい、気づいたら凛ちゃんのドアップ。
「んっ……」
「焦らしすぎ」
「そういうつもりでは!」
「わかったよ」
凛ちゃんは呆れたように笑って、次はほっぺたにキスをした。
押し倒されて、被さるように凛ちゃんが乗っかっていて、あたしの心臓はありえないくらい速く動いている。



