お腹を満たしたあとは、近くのお土産やさんを見て回って、夕方には旅館に向かった。
通されたのは、広々とした畳の部屋。 窓の向こうには海が広がっている。
「夕食は何時頃がよろしいでしょうか?」
案内してくれた女将さんに尋ねられ、凛ちゃんがあたしを見る。
「けっこう歩いて疲れたろ? 先に風呂入る?」
荷物を部屋の隅に置いて、首をかしげる凛ちゃん。
確かにあちこち歩いてお土産やさんを見て回ったから、汗をかいてる。
「そうだね。 そのほうがゆっくりできそう」
凛ちゃんは「ん」と、ほほ笑んで女将さんに向き直る。
「夕食19時にお願いできますか?」
「かしこまりました。 こちら浴衣でございます。 それではごゆっくりお過ごしくださいませ」
柔らかくほほ笑み、部屋を出ていく女将さん。
あ、ふたりきり……。
なんて意識をすると緊張しちゃいそうで、あたしも隅っこにいって荷物を置いた。
「はい、ひまの浴衣」
「あ、ありがとう!」
凛ちゃんは至って普通で、あたしだけ緊張しちゃってるみたいだ。



