きみ以上に、好きな人はいない






夏休み中ということもあって、カフェは盛況で家族連れやカップルが多い。


普段、堂々とふたりきりで過ごすことはできないけれど、今ならあたしたちもちゃんとカップルに見えるのかな。



「……そうだといいなぁ」


「ひま、なんか言った?」


「う、ううん! なんでもないよ!」



カフェに入ろうとする凛ちゃんの背中を慌てて追って、店内に入る。


店内は青や白を基調とした、まるで海の中みたいな内装で、貝殻の飾りが映えている。



「予約していた九条です」


「九条様ですね。 お待ちしておりました。 ご案内します」



凛ちゃんの苗字で通されると夫婦みたいだ……!とひとりで盛り上がってしまうくらいには浮かれている。


窓際の席に案内され、凛ちゃんと向かい合って座った。



「ひま楽しそう。 このカフェ気に入った?」


「もちろん! すごい素敵な内装だし雰囲気もいいし、なにより……」



あたしはテーブルに置いてあるメニューに視線を落として、看板メニューであろうデカデカと載った写真を指差す。



「パンケーキおいしそう!」